身体表現者としての在り方の一環として、なるほどねと。

バレリーナ草刈民代さんが、以前にヘアヌードの写真集を出したニュースのことを思い出しています。

このニュースを聞いた当初、バレエという芸術事をしている人としてヘアヌードとかはやってほしくなかったなとか、いやらしさでイメージダウンするからそういうことはしない方がいいのではと一抹のわだかまりのようなものを覚えたものです。

 

しかしながら、最近あらゆるお仕事の存在意義を見つめ直す機会があり、私自身のお仕事への考え方や視点がちょっと変化を見せてきました。 そこには草刈さんのような、身体表現者としての世界やその生き方、あり方への視点も含まれています。

 

改めてそんな新しい視点や思考の枠組みから草刈さんのお写真を捉えてみると、いろいろと変化が起こりました。

草刈さんのエロティックな路線ではないという意識の違いからでしょうか、ヘアヌードという形であれ、そこに一流バレエダンサーとして創り上げた肉体美の表現という在り方が伝わってくるような気がしています。

バレエの世界自体、美しさをトータルで追求していく求道であると理解していますが、世界的なバレリーナとして日々ひたむきに鍛え上げてきた肉体の美しさをひとつの芸術としての観点から見ると、こうしたお写真集も芸術家としての「作品」のひとつなのだろうなという思いがしました。

 

ここで学ぶのは、同じお写真でもグラビアの人や女優さんとは違う、鍛え抜かれた美しさがあるということです。

それは実際、こうした芸術の観点から写真集を買った草刈さんのファン層から、「美しさをもっと表現した大きな写真がもっとあるとよかった」などさまざまな反響があることにも表れていると思います。

 

草刈さんご自身が揺るぎない美しさに確信を持って凛と、堂々としているからでしょうか、お写真からまったくいやらしさというものが感じられない点もまたすごいところだと思える、そんな写真集でした。

 

長いことバレエのために苦労して創り上げた、努力と泪のたまものであるご自身の肉体を閉じ込めた草刈さんの写真集からは、彼女とバレエとの関わりをも映し出されているように思えました。